前回「液体爆薬を作る方法」ではニトログリセリンの製造工程をお送り
いたしました。今回は「TATP爆薬」の製造工程をお送りいたします。
【TATP(アセトンペルオキシド)爆薬編】
2006年8月に「ロンドン旅客機爆破テロ未遂事件」と呼ばれる、イギリス
からアメリカ合衆国とカナダへ向かう複数の旅客機を爆破させる大規模
な事件(テロ計画)がありました。
液状物質を機内に持ち込み、飛行機の中で高性能爆薬を合成、アメリカ
合衆国の主要都市上空で飛行中の旅客機を次々に爆破・空中分解させる
計画でした。
この事件がきっかけで、今の液体に厳しい手荷物検査が始まりました。
持ち込む時に液体であったため液体爆薬と騒がれましたが、液体と液体
を混ぜて出来た結晶が非常に強力な爆薬として働くので、厳密には液状
の爆薬ではありません。
また化学者から見ると謎があります。実際に合成すると分かると思いま
すが、合成には少なからず時間が必要となり、冷却も必要なので氷水か
それに代わるものを用意しなくてはなりません。
荷物と氷入り飲料コップを持ち、トイレにしばらく立て籠るというのも
不審です。
ですので、製造過程で何かもっと効率の良い合成法が見つかったのかも
知れません。
なお爆破にはカメラ付き携帯電話のフラッシュを用いて起爆するという
方法が取られます。
また、アセトンペルオキシドは2005年のロンドン同時多発テロでも使用
された爆薬として知られています。
合成には説明をよく読んで行うことが必至です。密造中は乱雑に扱い手
が吹き飛んだり失明したりという事故をよく聞きます。
以下はTATP爆薬の製造方法です。内容は米国の軍事文書を翻訳した物と
なります・・・(非公開)