大麻(マリファナ・ガンジャ・クサ・はっぱ)の基礎知識

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2012/5/15 12:44
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大麻とは、アサ科の1年草である大麻草から作られるもので、「大麻取締
法」で規制されています。

大麻草の特徴

(1)全草に独特の青臭さがある。
(2)茎の切り口の中心には髄がある。
(3)茎は四角形で緑色、縦に溝が通っており、太さは親指ほどになる事
がある。
(4)葉は3~9枚の小葉が集まった手のひらの形。小葉はノコギリの歯の
様に切れ込んでおり先端は尖っている。


「なぜいけないでしょうか。」

大麻草(あさ)は、吸引すると精神障害をきたす為、栽培したり所持す
る事が「大麻取締法」により厳しく規制されています。
けしには、麻薬の原料となり「あへん法」で栽培したり所持する事が禁
止されている「けし(植えてはいけないけし)」があります。

「大麻は危険なのでしょうか。」

大麻は、例えば、最近ハーバード大学の医学者であるレスターグリーン
スプーン氏とジェイムズバカラー氏の著書の日本語訳が「マリファナ」
という表題で青土社から出版されましたが、その中でも指摘されていま
す様に大麻には致死量がありません。
薬物の危険性というものは、通常は致死量で決まると思います。そいう
観点からみますと、大麻は非常に安全なものであるということが言える
と思います。

グリーンスプーン氏とジェイムズバカラー氏もこの訳本「マリファナ」
の240頁で「自然のままの状態を保持しているマリファナは恐らく私たち
人類が知りうる限り治療効果のある、もっとも安全な物質であろう 。」
と述べられています。

大麻がタバコより害がないというのは世界の常識で国連の調査でも明ら
かです。厚生省の資料にも、大麻には依存性(禁断症状)がタバコ、ア
ルコールより低く耐性上昇(量が増えていく)はないとはっきり書かれ
ています。


【大麻の安全性についての最新の科学的研究】

欧米の最新の科学的研究に基づき、大麻の依存性、耐性、安全性につい
てまとめたレポートです。

大麻受容体について

1.はじめに

1988年におけるHerkenhamらによる大麻受容体の発見は、大麻の有効成分
であるTHCの神経薬理効果に関する研究を飛躍的に進歩させた。
これまで、大麻の脳機能に対する影響に関する研究は、ある程度の生物
学的研究に基づいてはいるものの、被験者の行動の観測に頼るところが
大きかった。
大麻受容体の発見により、実際にTHCが脳に対してどの様に作用するのか
を計る為の基盤ができたのである。


2.受容体と神経伝達物質

ニューロンは情報を作成、統合、伝達する、体内で最も高度に分化した神
経細胞である。ニューロン間にはシナプスと呼ばれる間隙がある。
神経末端に電気的な衝撃を受けると、神経伝達物質(neurotransmitter)
と呼ばれる化学物質が遊離される。
神経伝達物質はニューロン間の間隙をつなぐことによって、ニューロンの
相互コミュニケートすることを可能としている。
受容体(receptor)は伝達物質分子を識別することができる特別な膜タン
パク質構造であり、あたかも鍵穴が適切な鍵を認識することに例えられる。

ニューロンは神経伝達物質毎に数千のオーダーの受容体を持ち、各々の神
経伝達物質は脳に対して多様な影響を与えることができる。
神経伝達物質と受容体の相互作用はシナプス伝達に特異性を与えるもので
あり、神経伝達物質はその伝達物質に適合した受容体を欠いている細胞に
は影響を及ぼさない。

アナンダマイド(anandamide)は、 Devaneらによって隔離されたカンナ
ビノイド受容体と結合する神経伝達物質の一つであり、Mechoulamらによ
ってTHCと同様の生化学作用があることが証明されている。
この名前は、サンスクリット語で至福を意味する anandaという語から取
られたものである。
Mechoulamはさらにアナンダマイドに似た2つの薬物を、HowlettとChild
ersはいずれもアナンダマイドとは異なる水溶性の物質を調査している。


3.ドーパミンと脳の報酬システム

ドーパミンは神経伝達物質の一種であり、非常に強い多幸感をもたらす。
このため、ドーパミンを遊離する神経性機構は「脳の報酬システム(bra
in reward system)」と呼ばれれている。
この機構において鍵となるのは、感情と情動行動に関係する大脳辺縁系経
路とドーパミン生産域とを結びつける経路である。

ドーパミンはシナプス隙間に遊離されてからは、その遊離された神経末端
に再び吸い上げられて活力を失うのが普通である。
コカインはそのドーパミンの再取込を妨げるため、バイオフィードバック
機構の欠如によって脳はドーパミンを生産し続ける。
アンフェタミンも同様にドーパミンの再取込を妨げるとともに、さらなる
生産と遊離を促す。

これに対して、アヘン剤は神経経路を活性化し、オピオイド・ペプチド神
経伝達物質を模擬することにより視蓋前核等におけるドーパミンの生産を
増加させる。
さらに、3つの受容体領域に作用し、ドーパミンの生産を低下させる抑制
性アミノ酸やγ‐アミノ酪酸を阻害する。
この様に、薬物の依存性はドーパミンの生産に影響を与えるか否かによっ
て証明することができるのである。


4.依存性

米科学技術評定局(Office of Technological Assessment: OTA)におけ
る研究の結果として、「被験動物はTHCを自己投与することもなく、また、
カンナビノイドは他の依存性薬物と異なり、脳の報酬システムを刺激する
ために必要な限界値を越えることは無かった」と報告されている。

また、ラットへの薬物投与により誘発されるドーパミンの生産をミクロ透
析によって計測する研究においては、アヘン剤、コカイン、アンフェタミ
ン、ニコチン、アルコールの全てがドーパミンの生産に影響を与えたのに
対して、大麻は影響を与えないことが証明されている。
すなわち、大麻に依存性が無いことが証明されたのである。

さらに、大麻はドーパミンに影響を与える他の依存性ドラッグとは異なる
メカニズムでハイに達することから、依存性ドラッグへのゲートウェイ・
ドラッグにはなり得ないと言えるのではないか。


5.耐性

基本的に耐性はドラッグの繰返投与によって受容体が消耗し、ドラッグが
欠如すると身体機能に困難をきたす状態を指す。
Hekenhamらによる米国立精神衛生研究所(National Institute of Menta
l Health: N IMH)でのラットの対照研究の結果、14日間にわたり最も
大量のカンナビノイドを投与したラットが最も早く平常の行動レベルに戻
ることが解った。
これは、これらのラットの調整機能の働きが非常に活発となり、受容体に
対する結合域が減少したためと考えられる。

すなわち、大麻の耐性は身体の平衡状態を保つため脳の機能なのであり、
「必要以上に摂取すると、受容体はスイッチを切る」のである。
これは、大麻による急性中毒の可能性や、近年における大麻の効力の増強
を危惧する指摘も否定するものである。

ちなみに、頻繁に大麻を摂取する人はハイになるのに対して、初心者や間
隔を置いて摂取する人はストーンし易いことになる。


6.安全性

大麻受領体の多くは、運動制御に影響を与える脳底神経節および小脳、ハ
イの特徴である時間の歪みや夢うつつの状態に関与すると考えられている
大脳皮質、そして、記憶の再生や蓄積に関わる海馬状隆起(hippocampus)
などに多く見られるが、Mechoul amはこれらの身体的作用は実害のないレ
ベルであると述べている。

また、呼吸に関与する延髄呼吸中枢における受容体の欠如は、大麻の安全
性を示するものである。
さらに、心臓や肺の機能を低下させることもないので、鎮痛剤としての薬
理利用の可能性を保証するものである。

これに対して、アヘン剤の受容体は脳全体に拡散しており、生理機能全体
を低下させる危険性がある。

7.最後に

大麻受容体に関する数々の研究により、大麻の安全性がようやく科学的に
証明されたと言えよう。
現在では、薬物の感情への影響についてほとんど何も解明されていないが、
カンナビノイド脳内受容体の研究がこの分野に大きな進歩をもたらす可能
性がある。

また、受容体の調整機能による耐性を利用して、身体に対して悪影響の出
ない治療薬を開発することも可能となるに違いない。


**********
大麻取締法
**********

「大麻取締法とは、何でしょうか。」

大麻取締法は、大麻の取り扱いについて免許制度を採用したものです。
従いまして、無免許で大麻を栽培したり所持してはいけないという制度
です。

そして、大麻取締法の根本的問題点は、この法律の目的が記載されてい
ないということです。何の為に、免許制にするのかまったく不明確です。

当時日本では、全国で大麻の栽培をしていましたが、大麻を原因として
具体的に健康上害があるとか、何か社会問題が起こったという事は、ま
ったく報告されていませんでした。むしろ逆に、大麻は有用な医薬品と
して市販されていた程です。
大麻の中で、特にインド大麻という大麻の有効成分が多く含まれている
種類の大麻を煙草にして「インド大麻煙草」と呼び、喘息の薬として市
販されていたという状態がありました。
第2次大戦前は、まさに自由に大麻煙草が売られていたということです。


************
はっぱの加工
************

大麻には、大麻をそのまま乾燥させた乾燥大麻(茶色又は草色で、通常
「マリファナ」といわれています。)、大麻のやにや若芽をすりつぶし
て固めた大麻樹脂(暗緑色の棒状又は板状で、通常「ハッシュ」、「ガ
ンジャ」といわれています。)、大麻葉又は樹脂から抽出した油状の液
体大麻(粘着性の暗緑色又は黒色のタール状で、通常「ハッシュオイル」
といわれています。)があります。


「では海外はどうなっているのでしょう」

世界の大麻合法化の動き

ここ、数年、世界は大麻合法化の方向に向けて大きく動き始めた。ドイ
ツ、アメリカ、オーストラリア、カナダの例を通して、世界がどこに向
かって進んでいるか、日本が取るべき正しい道はどれかを考えてみたい。

オランダでは事実上、大麻が解禁されているのはよく知られている通り
である。ところがここ2~3年、ドイツがオランダを追い越すような勢い
である。この数年のドイツの動きを、新聞記事で追ってみた。

1994年4月30日、毎日新聞の次の記事は非常に衝撃的で、すぐには信じら
れないものだった。「ドイツで進む大麻解禁の動き」「ドイツの連邦憲
法裁判所は28日、販売目的ではないマリファナとハシシュを少量なら使
用しても罪に問わない」これに対し政府は、「判決は大麻から作られる
薬物の使用を完全に認めたわけではない」と国民に自制を求めている。

「健康を害するたばこやアルコール飲料が法的に認められているのに、
マリファナの使用が許されないのはおかしい」という訴えを8人の裁判官
が審議。判決ではマリファナなどの使用禁止を定めた薬物禁止法の憲法
上の正当性は認めたが、警察などの取り締まり当局が少量の使用を見逃
してもさしつかえないとの判断をくだした。


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