スポーツライターの乙武洋匡さんが、日本テレビ系「24時間テレビ」についてツイッターで言及。
「メインパーソナリティーを務めてほしいというオファーを断った」など、“番組と障害者”についての思いを語っている。
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【乙武洋匡さんのつぶやきまとめ:24時間テレビへの思い】
1.今年も24時間テレビが終わった。
放送前、「24時間テレビを放送するのと、パラリンピックを24時間放送するのと、どちらが障害者理解が進むのか」とつぶやいて、みなさんから多くの反響をいただいた。
だが、まだ僕自身の考えを述べていない。僕は、「どちらも一方では進まない」と考えている。
https://twitter.com/h_ototake/status/239927455295610880
2.もう十年以上前の話だ。
「24時間テレビでメインパーソナリティーを務めてほしい」という話があった。
今年で言えば、嵐のポジションだ。「ビジネス」として考えれば、それはオイシイ話だったのかもしれない。
だが、断ってしまった。あの番組では、障害者の扱いが一面的であるように感じたからだ。
https://twitter.com/h_ototake/status/239930171094863872
3.もちろん、意義はあると思っている。
募金による寄付額には無視できないものがあるし、何より「知ってもらう」ことのきっかけにもなる。
だが、それでも、「かわいそうな人たちが、こんなに頑張っている」と障害者を扱ってしまうことに違和感を覚えたし、その番組の“顔”となることに抵抗があった。
https://twitter.com/h_ototake/status/239932178492968960
4.僕が子どもの頃は、番組もいまより「貧困」に焦点を当てていたように思う。
当時は僕も貯金箱の中身を持って、コンビニまで募金しに行った。
だが、いつからかずいぶん番組のテイストが変わってきた。
そこに登場する障害者は、あきらかに憐憫の情で見られている気がした。
僕は、番組を見なくなった。
https://twitter.com/h_ototake/status/239934008111276032
5.だが、パラリンピックを放送すれば障害者理解が進むとも思えない。
彼らは、日々の研鑽を積み、大舞台で活躍する権利を得たアスリート。
一般的な障害者像を体現しているわけでは、けっしてない。
だから、「障害者ってこんなにすごいんだ!」という感想は、全体像を見誤らせる危険性をはらんでいる。
https://twitter.com/h_ototake/status/239936210431250435
6.「健常者とはこういう人」とひとくくりにできないように、障害者だって様々な人がいる。
いまだ苦しみのなかにいる人もいれば、障害を受け入れ、克服し、まわりに勇気を与えるような生き方をしている人もいる。どちらが「いい」「悪い」という話ではない。
どちらも「いる」という“現実”が大事。
https://twitter.com/h_ototake/status/239939322160246785
7.僕に対して、「あなたのように恵まれている障害者ばかりではない」「おまえは特別だ」との批判もある。
そのとおり。僕だって、あくまで“ほんの一例”だ。だから、僕の生き方、考え方が障害者を代表しているとは
思ってほしくないし、ましてや「乙武さんは…」と他の障害者に押し付けてほしくない。
https://twitter.com/h_ototake/status/239942194155376640
8.これまで「乙武さんは24時間テレビが嫌い」という言説が流布しているけが、「嫌い」という感情とも違う。
ただ、障害者に対する扱いがあまりに一面的だとは思う。
だから、何とか異なる手法でプレゼンできないかと、ずっと考えてきた。それが、『五体不満足』出版にもつながった。いわば、原動力
https://twitter.com/h_ototake/status/239944744665485313
9.みなさんがこれまで抱いてきたであろう障害者に対する固定概念を、何とか打ち破ってやろう、違うスパイスを加えてやろう、そんな思いで出版した『五体不満足』。
あまりに多くの人が読んでくださったおかげで、今度は「乙武のような障害者ばかりじゃない!」と批判される“逆転現象”に困惑もした。
https://twitter.com/h_ototake/status/239946314622853123
10.とかく、人はレッテルを張りたがる。
日本人はこういう人、女性とはこういう性格、障害者とはこういう存在
――それが無意味なことは、わかっているくせに。
障害者だって、同情されたくない人もいれば、同情されたい人もいる。
泣きたい人もいれば、泣きたくない人もいる。本当に、いろいろいる。
https://twitter.com/h_ototake/status/239947889302982656
11.24時間テレビを見た方には、ぜひパラリンピックも観てほしい。
NHKの『バリバラ』という番組も観てほしい。
そうして、いろいろと知ってほしい。感じてほしい。考えてほしい。
もちろん、そこでの感じ方、受け取り方は、各自の自由。
ずいぶん長くなってしまったので、このへんで。長文失礼。完
https://twitter.com/h_ototake/status/239949050999357440
まとめ
【おまけ】
「24時間テレビから出演依頼がしつこく来てたんだけど全部断ってやったよ。
あんな偽善番組は大っ嫌いだ。誰がなんと言おうと俺は絶対出ないから。
ヨダレ垂らした芸能人どもがこの番組でめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせに これ以上貧乏人から金巻きあげんな。
チャリティーって言うくらいなら おまえら全員ノーギャラで出ろよ!コノヤロー!!」
(ビートたけしのオールナイトニッポンでの発言)
外国人も呆れる″エセチャリティ″『24時間テレビ』最大の過ちとは
今年で32年目を迎えて募金総額は272億円にのぼるが、一方で毎年お約束のように囁かれるのが「チャリティ番組なのに出演者にギャラが出るってどうよ?」という素朴な疑問だ。
これに対し日本テレビは、「基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払をしております」(2000年11月「放送倫理・番組向上機構」での回答)と説明しているが、実際には全ての出演者にギャラが発生しているのは公然の事実。
その総額は2億とも3億ともいわれている。
かつて91年の司会に起用された帰国子女の西田ひかるが、「まさか出演料が出るとは思わなかった」と、"日本式チャリティ"のやり方に唖然としたという話は今では語り草だ。
実際、海外のチャリティイベントで出演料が発生する話はあまり聞かない。
アメリカで40年以上続いている超老舗チャリティ番組『レイバーデイ・テレソン』は、コメディアンの大御所で発起人のジェリー・ルイスが毎年司会を務めているが、ギャラは1ドルも支払われない。
豪華ゲストも同様で、最近ではセリーヌ・ディオンやテルマ・ヒューストンなどの大物がノーギャラで歌っている。
まだ来日2年目を迎えたばかりのカナダ人記者は、「みんな無償で出演しているとばかり思っていたからショックだよ。でも本当に? 交通費とかじゃなくて?」と、にわかには信じ難い様子。
24時間テレビが日本人のチャリティ精神を喚起してきた貢献面を評価する声もあると説得(?)してみたが、「カナダやアメリカでその考えは通らないね。チャリティとはリーダーが手本を示すべきで、本来大金を稼げるはずの多忙な著名人があえて時間を割いて出演するから、一般視聴者にも意識が芽生える。むしろ日本人がなぜ怒らないか不思議」と手厳しい。
かつてビートたけしはオールナイトニッポンで24時間テレビについて「ヨダレ垂らした芸能人どもがめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせに、これ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティっていうくらいならおまえら全員ノーギャラで出ろよ!」と吠えて喝采を浴びた。
(ニュース記事より引用)