サッカー選手?宇宙飛行士?パイロット?
たいてい誰もが未来の自分を想像し、夢見たものだと思います。
ある少年は「将来、大きくなったらカーペットになりたい」と思っていました。
幼少期の夢を、叶えたニューヨーク在住のジョルジオさん(52歳)は、15年前にプロの「人間カーペット」としてデビューしました。
そして、いまなおカーペットとして、いろんな人に踏まれて大活躍しています。
彼は、幼い頃からネコに踏みつけられるのが大好きな少年でした。
奇妙な遊びばかりしているジョルジオさんの母は、「あなたは大人になったら、きっと困ったことに遭遇するわ」と忠告しましたが、彼の「カーペットになりたい」という強い想いはとどまりませんでした。
今ではニューヨークのパーティーシーンで、彼を知らない人はいないと言われるほど有名になりました。
あのレディー・ガガも彼の「人間カーペット」に乗ったことがあるといいます。
現在は、彼はカーペットとしての人生を謳歌していて、週に2~3回は「人間カーペット」の依頼を受けて、パーティ会場に足を運んでいます。
一回のオーダーで200ドル(約2万円)、月間で10万円以上を稼いでいます。
お金を稼ぐことが目的ではなく、本当の喜びとは「踏まれること」他ならないのです。
「踏まれること」こそが、彼の本望なのです。
とはいえ、時には大変なこともあります。
あるときにはたった1回の休憩で12時間のカーペット、またあるときには、熱狂した客が3時間も彼の上で踊り続けたことも、また最高185キロの巨漢も乗せたことがあります。
どんなときも、彼はプロの「人間カーペット」として、カーペットであることをひたむきに貫いています。
ちなみに、ニューヨークには、彼のライバルがいます。
残念ながら、彼だけが「人間カーペット」なわけではなく、もうひとり彼の宿敵ケビン・カーペットさんもまたニューヨークで活躍しています。
二人はライバル関係にありますが、おそらく二人の心は相通じるものがあるに違いありません。
幼き日に思い描いた夢を叶えて、ニューヨークのパーティーシーンの顔となりつつあるジョルジオさん。
「誰でも諦めなければ夢は叶う」ということを教えられたようでした。
【人間カーペット】
少年よ大志を抱け。