現代数学界最大の難問「ABC予想」、望月新一京大教授が解明か!

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2012/9/19 11:03
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12091930.jpg現代の数学に未解明のまま残された問題のうち、「最も重要」とも言われる整数の理論「ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授(43)が18日までにインターネット上で公開した。

その経歴が凄すぎると話題になっている。


数学界最大の難問「ABC予想」解明か

ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授がインターネット上で公開した。

整数論の代表的難問であり、解決に約350年かかった「フェルマーの最終定理」も、この予想を使えば一気に証明できてしまうことから、欧米のメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と興奮気味に伝えている。

ABC予想は1985年に欧州の数学者らによって提唱された。

AとBの2つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論で、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」とも言われる。

英科学誌ネイチャーによると、望月教授はまだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開している。

そのため「論文の正しさを判定する査読に時間がかかるだろう」という。

一方で望月教授は過去に優れた実績を残しており、「証明は間違いないのでは」とする数学者のコメントも引用した。

望月教授が開発した手法は将来、この予想以外の整数論の問題を解く強力な道具になるとも期待されている。

論文は合わせて4編で500ページあり、望月教授は自身のホームページで公開した。

ニュース記事より引用)


望月新一氏の公式サイト

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/

【ABC予想】

abc予想(別名Oesterle?Masser予想)は、1985年にJoseph OesterleとDavid Masserによって提起された数論の予想である。これは多項式に関するMason=Stothersの定理(英語版)の整数における類似であり、互いに素でありかつ a + b = c を満たすような三つの正の整数(この予想に呼び方を合わせるとa, b, c)について述べている。

abc予想は、この予想から数々の興味深い結果が得られることから有名になった。数論における数多の有名な予想や定理が abc予想から直ちに導かれる。Goldfeld (1996) は、abc予想を「ディオファントス解析で最も重要な未解決問題」であるとしている。

2012年8月、京都大学教授の望月新一は abc 予想を証明したとする論文を発表した。望月によると証明に用いた理論は宇宙際Teichmuller理論(英語版)に基づいており、他にもSzpiro予想(英語版)とVojta予想(英語版)の証明などが得られるという。


ABC予想 - Wikipedia

【望月新一氏の経歴】

略歴
1988年 - プリンストン大学を卒業(16歳入学、19歳卒業)
1992年 - プリンストン大学でPh.Dを取得(22歳):指導教授はフィールズ賞を受賞したゲルト・ファルティングス
1992年 - 京都大学数理解析研究所助手に就任
1996年 - 京都大学数理解析研究所助教授に就任(26歳)
2002年 - 京都大学数理解析研究所教授に就任(32歳)

12091931.jpg

望月新一 - Wikipedia

【発表された論文】

12091932.jpg
INTER-UNIVERSAL TEICHM¨ULLER THEORY I:CONSTRUCTION OF HODGE THEATERS

「望月新一さんの数学」玉川安騎男(京大数理研)

望月さん、フィールズ賞に対して無欲

普通の研究者(例えば私)であれば、ディオファントス幾何に関する結果をなるべく早く形にして2006年のフィールズ賞に間に合うようにと考えるでしょうが、望月さんは、賞に対しては全く無欲(というか、むしろやや否定的)で、十分時間をかけて基礎理論を満足のいくような形で完成させることに力を注いでいます。

また、(A。 Wiles がフェルマ予想に挑んでいた時などと違い)大予想の証明に向かう途中の理論についても、全てプレプリントなどで公開しています。

それを見て誰かが先に証明してしまうのではないかという周囲の心配もどこ吹く風、「自分の理論を理解して先に証明してくれるのであればむしろありがたい」とおっしゃっています。

現在36歳の望月さんが、これからどれだけの研究成果を人類に遺してくれるのか、非常に楽しみにしています。

【フィールズ賞】

12091933.jpgフィールズ賞は、ノーベル賞に数学賞がないことから、カナダ人数学者ジョン・チャールズ・フィールズ(John Charles Fields)の提唱によって1936年に作られた賞のことである。

4年に一度開催される国際数学者会議(ICM)において、顕著な業績をあげた40歳以下の若手の数学者(4名まで)に授与される。

フィールズ賞 - Wikipedia



望月 新一教授が日本学士院学術奨励賞を受賞 (2005年3月22日)

望月 新一教授は、昭和63年に米国プリンストン大学数学科を卒業後、平成4年に同大学大学院数学科博士課程を修了して学位(Ph.D)を取得し、同年京都大学 数理解析研究所助手に就任された。

その後、平成8年に同研究所助教授に昇任、平成14年に同研究所教授に昇任されて現在に至っています。

同教授の専門は数論幾何であり、特に、p進タイヒミュラー理論、遠アーベル幾何、ホッジ・アラケロフ理論など、双曲的代数曲線の数論幾何に関する多岐にわたる顕著な研究成果を挙げてこられたことが、今回の受賞の対象となりました。

同 教授が構築したp進タイヒミュラー理論は、古典的な複素数体上のタイヒミュラー理論の類似として、双曲的代数曲線とそのモジュライ空間の望ましいp進一意 化理論を初めて与えたものです。

曲線のモジュライ空間の標準座標、曲線の標準持ち上げ、曲線の数論的基本群のPGL2への標準表現、など斬新かつ基本的な 対象たちが同教授により続々と発見されました。

これらの結果は、約200ページの大論文(Publications of RIMS、1996年)と500ページ超の大著(アメリカ数学会、1999年)にまとめられました。

双曲的代数曲線の遠アーベル幾何にお けるグロタンディーク予想は、中村博昭、玉川安騎男らによって部分的に解決されていましたが、同教授はこれを完全に解決し、更に、p進体上でも同様の結果 が成り立つことを示しました。

この結果は、現在に至るまで遠アーベル幾何の最高峰をなしており、同教授は、この業績に関し、1997年度日本数学会賞秋季 賞を(中村、玉川と共同で)受賞し、また、1998年には29歳の若さで国際数学者会議の招待講演を行いました。

その後、同教授は、 abc予想などディオファントス幾何の重要未解決問題へのアプローチの一環として、楕円曲線のホッジ・アラケロフ理論という大理論を完成させました。

現在 は、更にこの研究を大きく発展させて、全く新しい圏論的な幾何学を構築中であり、この理論が完成した暁にはディオファントス幾何への著しい応用があること が期待されるため、内外の熱い注目を集めているところです。

なお、同教授は、日本学術振興会賞もあわせて受賞されました。

京都大学より引用)


望月新一氏は日本の誇りです。


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