「最近どうよ?」
かつてのほんのりとした憧れを抱いていた人がいた。
私がまだ高校生の頃を知っている人でもあり、
初めて会ったのは池袋の喫茶店。
兄がいたらこんな感じなんだろうか、と思ったりもする。
長身の脚が好きだというのは知っていたからわざわざ着替えて
ショートパンツを履いて会いに行った。
大人の男は女の子に会うときにコーヒーゼリーを食べるのか、と
不思議に思いつつ納得したりしてた。
エロ話を飽きるほどしたけれど会うの会わないの話はしなかった。
飽きるほど話はしたけど彼との話を
つまらないとか飽きたとか思うことはない。
セックスのことを必ず「抱く」と言っていたのも
その頃の私にはとてつもなく大人に思えた。
そんな言葉で優しく言いくるめるような男はまわりにいなかった。
きっとこの人に抱かれたら私は大人になれるんだ、とか思っていた。
けれど彼の巨根を受け入れられるほど私は成熟していなかったのか
奥を突かれる度に痛い。
初めてするときすら少しも痛くなったのに。
一回いかせてもらって、シーツは水浸し。
腰のあたりがひんやりとして、じゃあ入れようかと入れるまではよかった。
咥えたときに少し長い?とは確かに思った。
挿入して、奥まで入った、と一息ついたら更にめり込む。
お腹のなかをぐいぐいと犯されるけど身体が全然ついてこない。
腰を押し戻しても、奥まで突かれまいと身をよじっても
容赦なくピストンされた。
やめて、と中断するほど痛いわけでもなくて
でも奥までねじ込まれる時だけが痛い。
痛くされたことより痛いと感じることが悲しかった。
結局数回、期間をおいてしただけだけど、
だから余計に久しぶりのコンタクトで思い出した。
初めてキスしたときに、ニッって笑った顔とか
わざとらしく恥ずかしがって笑わそうとした時のこと。