上映中の映画「永遠の0」を「見たことを記憶から消したくなった」と映画監督の井筒和幸氏が痛烈批判した。
それに対して、原作者の百田尚樹氏はTwitterで反発した。
井筒監督は 「見たことを記憶から消したくなる映画」として「永遠の0」をラジオ番組内で名指しした。
「特攻隊を美談にしている」と主張し、加えて、岡田准一演じる主人公が「生きたい」と考えていたのに特攻隊に志願して戦闘機に乗り込む筋書きを不自然で「そんなわけない」と語った。
「永遠の0」はつくられたストーリーで「ありえない設定」、しかも特攻隊を美化していると井筒監督の目に映ったと。
これら発言に対して、原作者の百田氏は1月20日にツイッターで、「なら、そのまま記憶をゼロにして、何も喋るなよ」と反撃。
なら、そのまま記憶をゼロにして、何も喋るなよ(^ー^) 【 エンタメ速報! : 井筒監督、映画『永遠の0』を強烈批判。「観た記憶をゼロにしたい」】 http://t.co/rqcTPfsemm
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2014, 1月 20
「戦争賛美」という批判は以前にも寄せられていて、以前Twitterで以下のように断言していた。
私 は『永遠の0』で特攻を断固否定した。多くの特攻隊員に慕われていると言われている大西瀧治郎中将さえも批判した。それなのに一部の粘着する連中から「百 田尚樹は特攻を賛美して肯定する軍国主義者とだ」と執拗に非難される。多くは本を読んでない人だが中には読んだと言う者もいるから唖然とする。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2013, 8月 17
井筒の自分の映画以外の作品に対する「辛らつコメント」は、いつものこと。
「俺は、君のためにこそ死ににいく」も特攻隊員を描いた作品だが、「戦争の美化」と批判し、怒った主演の窪塚洋介が「この映画を見て戦争賛美だというヤツはアホだと思う」と猛反発した。
「永遠の0」は原作、映画とも繰り返し非難を浴びている。
朝日新聞は、「右傾エンタメ」と評し「骨太な愛国エンタメ」と位置付けた。
宮崎駿氏は、固有名詞こそ出していないが「嘘八百を書いた架空戦記をもとにして、零戦の物語を作ろうとしている。神話の捏造をまだ続けようとしている」と。
何度否定しても繰り返される「戦争賛美」のレッテルを張られたことに百田氏もうんざりし、見過ごせなかったのだろう。
【百田尚樹 原作:永遠の0 予告】
【井筒和幸 監督:パッチギ!予告】