最新インク染料の進化 ~悪用の可能性について~

2024/5/20 09:00
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万年室の筆先

消せるボールペンを悪用した公務員による不正請求などが話題になりましたね。その後、これらのインクはどうなっているのでしょう。

まず、消せるインクについて簡単に復習します。

字が消せるボールペンは、かつてはインクを紙の表面ごと強引に消しゴムで絡め取る、というタイプが主流でした。しかしその後、ロイコ染料を使用して摩擦熱で色を消すボールペンが主流となりました。

このインクは消しゴム部分でこするなどして摩擦熱により温度を60度以上にすることで色を分解させ消しています。

面白いことにこの染料は一度消えたインクを-15度以下に冷やすと、再び黒く発色するという特徴を持ちます。

したがって、一度消されても前に60度に温めたか-15度以下に冷やしていたかで、同じ常温時において字が見えていたり消えていたりするのです。
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