快楽物質(ドラッグ)についての解説
麻薬や覚せい剤等のドラッグについて記載します。
以下に、主に流通している薬物について文献を元に載せます。
実践は禁物です。
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『覚醒剤』
【成分】
メタンフェタミン、アンフェタミン、メチルフェニデート他
【軌跡】
1893年、原料のエフェドリンを帝都大学(現在の東京大学)の長井長義
博士が、アメリカの風邪薬からの単離に成功しました。そして、エフェ
ドリンからメタンフェタミンを合成する事に成功したのです。
当時は、このメタンフェタミンは猫目薬と呼ばれ、不眠不休で働かせる
為、軍需産業の労働者に与えられていました。
二次大戦後、大日本製薬製造「ヒロポン」という商品名で民間の薬局で
販売される等、日本の闇市場に大流出し、法規制後も暴力団の最大の資
金源となり、使用者が後を絶ちません。
現在も、メタンフェタミンは主にエフェドリンから製造され、日本へ多
く密輸されています。
ちなみに、「ヒロポン」とはギリシャ語で「働き者」という意味です。
メタンフェタミンとは、一般に日本の社会にて密売されている覚醒剤の
事です。このメタンフェタミンは、味の素や氷砂糖を砕いた様な白い粉
や結晶の状態で、「パケ」と呼ばれるビニールに小分けされて出回って
います。
医療現場でも、重度のナルコレプシー(昏睡病、眠り病)や、稀に、緊
急の昏睡状態で危険な状態の患者に、文字通り覚醒させ、生還させる為
にカンフル剤として使用される事もあります。
一方、メタンフェタミン開発のきっかけとなった、化学構造のよく似た
アンフェタミンと呼ばれる覚醒剤もあります。これは、日本ではほとん
ど出回っていないタイプの薬物で、欧米で同じく覚醒剤として多用乱用
されています。
ベンゼドリン(商品名)と呼ばれ、医療でも使用される事があります。
このアンフェタミンはナチスドイツのヒトラーも愛用していました。
メタンフェタミンの方が快楽性が非常に強く、その為、再使用する者が
後を絶たちません。
理由として、このメタンフェタミンは、「S」、「スピード」等と呼ばれ
若者達の間でファンション化されて、使用方法も、注射器からアルミホ
イルで加熱昇華し吸引したり、粉末にして鼻から粉を吸うという簡単な
方法が流行している事があげられます。
【作用】
疲労や不安が吹き飛び、気分が高まり、陽気になります。
皮膚感覚が鋭敏になり、作業の能率がアップします。
作用時間は3~6時間です。
【使用法】
結晶を水に溶かして静脈注射加熱して煙を吸います。
微粉末にしてスニッフィング(鼻孔吸引)します。
【俗称】
「シャブ」、「スピード」、「S」、「冷たいやつ」
【末端価格】
1g=15,000~30,000円
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『MDMA/MDA』
【成分】
MDMA(メチレン・ジオキシ・メタンフェタミン)
MDA(メチレン・ジオキシ・アンフェタミン)
【軌跡】
1914年にEメルク社が合成しました。1967年に機密扱いが解かれ、70年前
後から市場に流出しました。80年代半ばから欧米を中心にて爆発的に広
がりました。
その快楽の強さゆえ、日本の麻薬市場では現在最も急成長している薬物
で、乱用者が急増しています。欧米では、使用後数週間は結婚をしない
方がよいというのが定説です。
【作用】
服用後30分~1時間(平均40分)程で胸に熱い感触がこみ上げ、身も心も
ワナワナし始め軽く発汗します。
それから2~4時間、とてつもない多幸感と究極の愛に満たされます。
MDMAがPTSD(心的外傷後ストレス障害、心の傷)治療に使用出来ないか
という医学的臨床試験が行われたともいわれていますが、一般には麻薬
扱いのままです。
【使用法】
1錠1g程の軟質錠剤を経口投与します。
(服用前は、胃を空にしておきます。)
【俗称】
・エクスタシー
・X(エックス)
・X(バツ)
・X(ペケ)
・E
【末端価格】
1錠=4,000円~10,000円
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『アヘン化合物(モルヒネ、コデイン、ヘロイン)』
【成分】
モルヒネ
コデイン(リン酸モノメチルモルヒネ)
へロイン(塩酸ジアセチルモルヒネ)
【軌跡】
旧石器時代後期に人類が初めて発見した薬用植物です。ケシの主要成分
モルヒネを元に1874年、イギリスの化学者A・ライトによってヘロインが
合成されます。語源は、ドイツ語の「英雄」です。
コデインは、モルヒネの1/10の効果が、ヘロインはモルヒネの3~4倍の
効果があります。コデインは、薬局の麻薬性咳止め薬ブロンの主成分で
す。咳止め剤の乱用が問題となっています。
【作用】
頭の先から爪先まで全身が心地よく弛緩します。
心配や不安、恐怖といった精神のマイナス要素が消え去ります。
喜悦と安堵と静寂に満ちた究極の幸福感が得られます。
コカイン、覚醒剤との混合摂取をスピードボールといいます。
【使用法】
静脈注射や、粉末のスニッフィング鼻孔吸引です。
【俗称】
・H(エッチ)
【末端価格】
1g=20,000円~40,000円
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『LSD』
【成分】
LSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)
【軌跡】
1938年、スイスのホフマン博士が麦角から抽出し合成に成功しました。
1943年に幻覚作用が確認されます。60年代になって娯楽使用がブームと
なり、サイケデリックムーブメントを巻き起こしました。
【作用】
服用後1時間弱で作用が現れ始めます。
主な症状は幻覚、聴覚や皮膚感覚の鋭敏化、いわゆる超越意識の発現で
す。興奮します。
【使用法】
・成分を染みこませた10mm四方の紙を舌下で舐めます。
【俗称】
・L(エル)
・アシッド
・ペーパー
・紙
【末端価格】
1枚=1,500円~5,000円
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『シロシビン』、『シロシン』
【成分】
シロシビン
シロシン
【軌跡】
マジックマッシュルーム(幻覚性キノコ)の有効成分です。
LSDを合成したホフマン博士が抽出し、命名しました。1958年に商品化さ
れました。その後、1966年4月にLSDとともに販売禁止になりました。
【作用】
4~6時間にわたり色彩豊かな幻覚を生じます。
夢と現実の世界を繰り返し往復し、気持ちが高ぶります。
また、性的刺激で絶頂時に男性は女性の様な長く強い快感を得るとされ
ます。
【使用法】
飲食です。
【俗称】
・マジックマッシュルーム
・マッシュルーム
・マッシュ
・キノコ
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『ケタミン』
【成分】
塩酸ケタミン
【軌跡】
外科手術を対象とする全身麻酔薬です。1978年に幻覚作用が報告されま
した。人工的に幽体離脱に極めて近い状態を引き起こすと言われていま
す。
【作用】
45分から1時間精神が肉体から遊離し別世界にいる様な感覚になります。
【使用法】
外科手術の時は静脈注射です。
溶液を揮発させて結晶、粉末にして経口、鼻孔吸引します。
【俗称】
・K
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『コカイン』
【成分】
コカイン(塩酸コカイン)
【軌跡】
南米原産コカの葉の主成分です。1860年にドイツ人A・ニーマンによって
分離、命名されました。19世紀末には万能薬と宣伝され一般に使用され
ました。
当時は、コカコーラの成分でありましたが(コカというのはコカインの
事)が、快楽性が確認されてからは、コカインの成分だけ抜かれて現在
に至ります。コカインはアメリカでは愛用者が非常に多いです。
【作用】
覚醒剤とほぼ同じですが、快楽性、陽気さの度合いはコカインの方が上
です。商談、パーテイ、セックスといったショートのイベントに向いて
います。作用時間は約30分です。
【使用法】
白濁結晶を微細な粉末にして、鼻孔吸引します。
水で溶いて、静脈注射します。
【俗称】
・コーク
・C(シー)
・スノー
・パウダー
・ホワイト
・粉
【末端価格】
1g=15,000円~40,000円
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『睡眠薬』、『抗不安薬』
【成分】
ベンゾジアゼピン誘導体
GHB
【軌跡】
しばしば自殺に用いられたバルビツール酸系に代わり、現在では1960年
にアメリカで合成されたベンゾジアセピン系が主流となっています。
最近では、安全で強力に昏睡させるGHBという物質が合成され、一時個人
輸入などで出回りましたが、強姦に用いられるなど、レイプドラッグと
しても多用されるようになり、麻薬扱いになりました。
作用は、アルコールに非常に似た酩酊状態をもたらします。
【作用】
催眠に効果的です。寝付く前では、不安や恐怖が抑制され、ふんわか晴
々とした気分になります。
アルコールの作用から、吐き気、顔面の紅潮、頭痛などを軽減したもの
と思えば問題ありません。
【使用法】
経口、粉末を鼻孔吸引
【俗称】
デパス、ハルシオン等々(商品名)、眠剤
【末端価格】
1錠 数千円(医者からの処方は1錠10円程度)
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『マリファナ(大麻草)』、『ハッシシ(大麻樹脂)』
【成分】THC(テトラヒドロカンナビノール)
【軌跡】
麻酔薬使用の始まりはBC3千年、スキタイ人は葉を燃やし煙を吸って陶酔
感に浸っていました。今世紀には政争の具とされ紛議を醸すも、欧米で
は現在、娯楽ハーブとして定着しています。
【作用】
気分が高揚して、活動欲求が高まる一方で、身体が重くなり、眠気も誘
発します。
食欲増進、味覚や聴覚、皮膚感覚の鋭敏化、また穏やかな幻覚、幻聴等
を引き起こします。
緑内障治療薬や、抗痙攣薬、抗うつ薬、鎮吐剤としての効果もあります。
【使用法】
大麻を乾燥させたのがマリファナです。その樹脂を練り固めたのがハッ
シッシ。どちらも喫煙使用が主です。
【俗称】
マリファナ、ハッパ、クサ、G、グラス、ハッシシ=チョコ、ハッシュ
末端価格:1g 3,000~10,000円
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『メスカリン』
【成分】メスカリン
【軌跡】
烏羽玉(うばたま/ペヨーテ)やサンペドロといった幻覚性サボテンの有
効成分です。1896年、ドイツの毒物学者ロイスレヴィンによって抽出、
単離された世界初の幻覚誘発物質です。
【作用】
LSDやシロシンよりも幻覚作用は低いですが、それを補って余りあるプリ
ミティブな幸福感が10時間ほど続きます。
色彩の変化に加え、あらゆる体験が新鮮に感じられるのが特徴です。
【使用法】飲食
【俗称】烏羽玉、サボテン、ペヨーテ
【末端価格】1鉢 3,000~20,000円
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『PCP』
【成分】フェンサイクリジン
【軌跡】
1950年に創製された全身麻酔薬です。78年にその使用が全面的に禁止さ
れました。60年代半ばから欧米の闇市場に流出しています。
【作用】
精神が肉体や現実から遊離し、別世界にいる様な特殊な幻覚を経験しま
す。パワーはLSDなど足元にも及びません。時空間を変容させます。
もともと全身麻酔薬として作られた薬なので、当然痛みを全然感じなく
なります。しかも、意識は現実にあらずゆえ、錯乱した者は手に負えな
い不死身の狂人になります。
【俗称】エンジェルダスト、ダスト
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『シンナー』
【成分】トルエン
【軌跡】
シンナーとは各種塗料を薄めるために用いる有機溶剤の総称です。トル
エンをたくさん含んでいる、接着剤、ライターオイル、ニス、ワックス、
染み抜き剤などが乱用されるケースが多いです。
【作用】
中枢神経が抑制され、身体の力が抜け、意識が朦朧とし、幻覚が現われ
心地よい酩酊感に浸ります。
【使用法】
吸引
【俗称】
アンパン、純トロ
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『アルコール』
【成分】
エチルアルコール
【軌跡】
寒冷地を除けば、放置された穀物や果実は自然と発酵してアルコールを
作り出す。人類が初めて摂取した向精神物質と言われてます。
【作用】
脳内に直接入り込み、睡眠薬や麻酔薬と同様に中枢神経を抑制します。
初期段階では不安や恐怖といった大脳新皮質系のマイナス要素が麻痺し、
間接的な幸福感が得られます。
【使用法】
飲用
【俗称】
酒
【末端価格】
様々
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以上が主な薬物についての詳細です。