■桜井和泉の性とロマンの幻想を往く
~だってニンフォマニアだもん
お願いだから明日、抱いてください。続き。
休日の日中に待ち合わせて、なんだかデートみたいなのに
そういえば私はどんな下着を着けていったんだっけ。
そんなことも思い出せないくらいに緊張してたし
ちょっとばかりとち狂ってたのかな、とか思う。
ムンクなアイコンのコーヒーショップで
キャラメルラテを買ってもらって雑談をする。
なんだかこの後に何かアレコレするなんて
全然そんな雰囲気が出てなくて
それが私を余計に焦らせたりする。
変な緊張したり焦ったりしてるのが相手に伝わってるのが
分かって更に焦るってのになんだか涼しい顔をされてる。
なんだかちょっと悔しいような妙な気持ちでいるうちに
ラテも飲み干してコーヒーショップを出た。
恋人のようにべたべたと手を繋ぐでもなく淡々と
ホテルを探すために歩き始める。
前にここに入ったことがある、みたいな話をするのも憚られるような妙な緊張感は、
多分しらふでこれからアレコレするからなんだろうか。
途中コンビニに寄って水を買う。
どんなセックスになるか、想像がつかない。
いつもの私がフィジカルに快楽を求めるのであれば
マンコだけでなく肌が濡れて滴るほどに汗をかくので水分だけは、
と買い込んだ。
「ここ、デイユースやってないかな?」
ちょっと覗くとラブホテル然としていないのにデイユースと書いてある。
どうぞ!うちでセックスしてください!と読めてしまい
いよいよ頭がクラクラしてくる。ビジネスホテル風なのに。
デイユース開始まで少しロビーで待機して鍵を取ってもらい部屋のドアを開ける。
唐突に押し倒されるワケでもなく、アメニティや水場の物色をする。
自然と少し幅の狭いダブルベッドに服を着たまま
横になったりしているうちにキスをした。
私はその時何を求めていたのかも分からないまま、彼の唇を貪った。
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奔放をそのままに書き出したむきだしコラム集です。