室伏広治の父室伏重信氏は、ルーマニアの投てき選手セラフィナさんと結婚、セラフィナさんは22才で来日。長男の広治氏と、長女の由佳を産むも離婚。離婚した後に生まれたのが今回告発した弟、室伏秀矩氏。
現在室伏秀矩氏は横浜でフリーター、バツイチ。セラフィナさんは愛知県豊田市の県営住宅に居住し生活保護を受給。室伏広治が実母への援助が無いことに立腹しているようだ。
突っ込みどころが多い、弟の告発にはネットでも批判が集まっているようだ。しかし離婚しても実の母親であることは変わらない。室伏側は父と離婚した母の援助をすることは、父親を裏切ることになると考えるため援助をしない方針。よほど何かあったかと思われるが民法上、親子などの直系血族は、互いに扶養する義務があると定められている。
■告発インタビュー 「金メダリストの兄・室伏広治はこんなに酷い男だ!」
豪快な雄叫びを上げ、人々を驚嘆させる大記録を残してきた"世界の鉄人"の、隠された一面が明らかに!
「もうふざけんなって話ですよ!」
半ば呆れたような表情を浮かべながら憤る、彫りの深い顔の長身男性。
――その名は、室伏秀矩(ひでのり)氏(25)。
そう、彼は先の5月12日に一般女性(28)と入籍を果たした超人アスリート"世界の鉄人"、ハンマー投げの室伏広治氏(40)の弟だ。
広治氏に弟がいることは、あまり知られていない。広治氏の父で"アジアの鉄人"重信氏(70)が、妻のルーマニア出身のセラフィナさん(65)と離婚(1988年)した後に、彼女が独り身で産んだ青年だ。
秀矩氏は今、横浜でアルバイトをしながら生活をしている。
そして、愛知県で独りで暮らす母・セラフィナさんは生活保護を受ける身だ――。
「兄の結婚発表で、僕にも何百通もの"おめでとうメール"が届きました。でも、素直に喜べないんです。僕と兄、姉(室伏由佳さん)の実母のセラフィナは、もう20年間も愛知県の豊田市で生活保護を受けています。住んでいる県営住宅は多くの外国人労働者が住む、決してきれいとは言えないアパートです。母が住む2DKの部屋は"ネコ屋敷"同然で散らかり放題。どうにか炊事はでき、一応の生活は送れていますが、お金に関しては僕が面倒を見るのは難しいのが実情です」
現在、秀矩氏は母の様子を見に定期的に県営住宅に帰るという。広治氏の入籍後、セラフィナさんに会った際、こんなやりとりがあったという。
「つい先日、母に会ったとき、"広ちゃんが結婚するね"と言ったら、"えっ、どこの広ちゃんよ"と、母はすぐには理解できなかったんです。"兄貴の室伏広治だよ"と言うと、"あぁ、結婚するの……。もう、そんな年齢だよねえ"って。母の口癖は"広治はパンの一切れも持ってこない"。姉の由佳(元ハンマー投げ日本代表)が結婚したとき(08年に結婚、後に離婚)も連絡はなかったそうです」
ルーマニアのジュニアの投てき選手だったセラフィナさんが、室伏重信氏に見染められたのは、彼女がまだ10代の頃とされる。「アジアの鉄人」が彼女と結婚すれば、世界一のDNAが遺伝する――と、超人の誕生に期待する向きも多かった。
その後、彼女は22歳で来日し、重信氏と結婚。引退して専業主婦になった。そして、2人の間に生まれた子どもが、長男の広治氏と、長女の由佳さんだ。広治氏は04年アテネ五輪で金メダルに輝き、かつての期待は現実のものとなった。
だが、それよりも16年前の88年に、重信氏とセラフィナさんはすでに離婚している。
「母いわく、自分は室伏家を追い出され、子ども2人も取られてしまった。だから寂しくて、間もなく知り合った男性との間に僕を妊娠して、出産したのだと。その後、不幸にも父は破産し行方不明になり、女手一つで僕は育てられてきたんです。母は多芸で絵画を描く。それが高く売れた時代もありました。でも、それも一時期のことで、生活はずっと苦しかったです。母の母国のルーマニアは、民主化で政権が崩壊して親族は国を追われました。だから帰るところがないんです。僕も"外人の変な子"と小中学校時代はいじめが原因で引きこもりになって、登校拒否をしていました」
このままではよくないと一念発起、秀矩氏が始めたスポーツが砲丸投げ。中学2年生の終わりで始めると、瞬く間に記録は伸び、わずか3か月で県大会に出場したという。
「やっぱり母親のDNAは凄いんだと思いましたね。また、母が学校まで来て指導をしてくれたんです。母はルーマニアのスポーツ特待生でしたからね」
投てきの有望選手になり、高校を受験し合格した秀矩氏。当時、どうしても用意できなかった入学金の20万円は広治氏が貸してくれたという。だが、それ以後、彼と広治氏の接触の回数は片手を超えることはなかったという。
「実母に結婚の報告もない…」
「僕はヒステリックになった母との関係が悪くなり、16歳で家出のように愛知を離れ、高校もそのまま退学したんです。僕はその後、結婚をし、離婚をして、現在に至ります。正直、母とはいろいろあってムカついていることもあるけど、今は大切に思っています。僕が母の下を離れたあと、母と、兄と姉との接触はまったくなかったそうです。兄は金メダリストで、今度の東京五輪・パラリンピックのスポーツディレクター(競技運営計画責任者)を務める立派な人間なはず。僕は、母に生活費を送ってくれとまでは言わない。でも、優秀なDNAを遺伝させてくれて、かつ、これまでとんでもない苦労しかしてこなかった母に対して、結婚の報告や、"ありがとう"のひと言すらないのかと。それが信じられないし、とにかく本当に許せないんです」
広治氏の所属先のミズノに取材を申し込むと、本誌の質問に対して、こう回答した。
「過去にも報じられましたが、室伏広治としては、父と離婚した母の援助をすることは、父親を裏切ることになると考えます」
資金援助はさておき、お腹を痛めて産んでくれた実母に感謝の思いすら示すことがなかったとしたら……、「おもてなし」でつかんだ東京五輪の責任者が果たして適任なのだろうか――。