海外口座を使って債権者からの厳しい追及を逃れる知識
知識というのは持っていて邪魔になることはありません。実際にその知識を使うかどうかは別として、知っているということが大事なのだと思います。そこで、私の持つ知識を皆さまにおすそ分けしたいと思います。
今回は、海外口座を使って債権者からの厳しい追及を逃れる知識についてお話しいたします。
OECD加盟国間のCRS(Common Reporting Standard、共通報告基準)が2018年から施行され、海外の口座情報が各国で交換されるようになりました。今後、各国間で協力して口座の名寄せなどが進んでしまいますと、海外(非居住者)に口座を持つことは所得税対策・相続税対策としては意味がなくなっていくでしょう。
法人として海外口座を保有したとしても、すでに5,000万円以上の海外資産は税務署に対する報告義務が発生しています。
ただ、確かに対税務署対策としては意味がないかもしれませんが、民事訴訟をかかえている債務者が債権者の厳しい追及を逃れる目的で海外口座を持つのは今後も検討しうるひとつの選択肢であると思います。
名寄せが困難な海外不動産より海外口座のほうが管理も容易です。
実際に私の友人が、口座を保有している香港やシンガポールなどのイギリス資本系の銀行から日本のタックスIDを尋ねる文書が送られてきたとき返信をしなかったところ「口座をクローズします」という反応はなかったものの、インターネットバンキングでドルに両替できなかったりなどのデメリットを被りました。
不便なのであとから慌てて日本のタックスIDを記載した文書を返信したそうです。
この点、何か裏技はないのでしょうか……。