今から数年前、確か2015年ごろの話です。当時私はブラックでどこからもお金を借りられず日々の生活に困っていました。そんなある日、公園の片隅に財布が落ちているのを発見！

これは、もう神の導きだと思い財布をサッと拾いすぐに家へ向かいました。家に着くまでは妄想の虜です。今日は豪華な食事にしようとか、欲しかったアレを買おうとか、ソープにでも行こうかなとか……。

そして家につき玄関ですぐ財布を取り出し中身を確認しました。

しかし開けてびっくり、なんと財布の中はカラ……。多分誰かが先に拾い、お金や使えそうなものを抜いて、残った財布を捨てたのでしょう。なぜ、私はお金が絶対に入っているものだと思ったのか、浮足立った自分を恨んだものです。

捨てようと思いましたが、一応細かく中身を確認。札はもちろん小銭すらまったく残っておらず、入っているのはレシートとスタンプカードが2枚、あとは床屋のメンバーズカードくらいです。

まったくもって使えないゴミを拾ってしまったと思った瞬間、なんとなく硬い部分があり中を見るとカード入れの奥に自動車運転免許証（以下、免許証）が入っていました。

生年月日を見ると、年齢的にそんなに変わらない男性で見た目はまあ普通の公務員みたいな感じの人でした。

こんな人なら借金もないだろうな……、この人なら簡単にお金を借りられるんだろうな……。