コロナ重症患者の闘病記 その3「独房はつらいよ(前編)」
ICUから一般病室に移れるということで、いろいろと期待していた。看護士が言うには、個室でシャワーもテレビも付いているとのこと。やっと体を洗えるなーと思った。
しかし現実には違った……。部屋は移ったが、右腕の動脈には針が1本、上腕部には血液の蛇口が2個、胸には各センサーが付いたまま。これでは顔を洗うのも一苦労だ。正直変わったのは部屋とベッドだけという感じだった。
テレビはあったが映らない、カードを買って入れないと見えないとのこと。気を取り直して部屋をいろいろとチェックしてみる。テレビの下に小さいながら冷蔵庫があった。しかしながらこれもカードを入れないと動かない仕様……どこもかしこも金次第か!
まー仕方ない、ここではこの病院のルールに従わなければ。とりあえず看護士にカードの購入を頼もうと1万円を手渡そうとする……。
しかしその直後、看護士から思いもよらなかった言葉を浴びせられることになる。
看護師:「そのお金はコロナに汚染されているので使えません」