2028年トランプ大恐慌を研究する 夏の特別編(3)

激裏情報 | シリーズ | 海外 | 政治
2026/8/14 13:00
ラシュモア山の大統領の顔の岩

幽霊の正体見たり枯れ尾花――恐怖や期待がもたらす錯覚は、実態を直視した瞬間に霧散する。

現在の高市政権が掲げる経済運営の正体もまた、この枯れ尾花に酷似している。実質的な総需要抑制を回避し、石油備蓄の取り崩しや対症療法的な補助金バラマキでインフレの痛みを糊塗しつつ、低金利を無理に維持する。

この一連の政策パッケージは、一見すると国民負担の軽減という美名に彩られているが、その実態は、インフレによる実質債務の目減りを目論む財政抑圧(Financial Repression)と、目先の支持率を追うポピュリズムの合成物にほかならない。

こうした持続不可能な拡張主義がもたらす帰結は、かつて米国トランプ政権が突き進んだ道、あるいは安倍政権下の異次元緩和の悪い意味での模倣と驚くほど軌を一にしている。

トランプ政権は大型減税という大義名分のもと、富裕層の資産拡大と企業の自社株買いを誘発し、トリクルダウンの幻想を破綻させ、格差を固定化した。同時に、社会的セーフティネットを解体して弱者にしわ寄せを送り、身内びいきのクローニズム(関係者資本主義)を横行させた。

トランプ政権におもねり、その経済的ナショナリズムを安倍模倣といういびつな形に歪めて日本に定着させようとする高市政権のドクトリンは、結果として過度な円安と国民の窮乏化という致命的な国富流出をもたらしている。

現在の日本で進行しているのは、手法こそ違えど、本質的には国家の長期的な資本効率と規律を犠牲にして、短期的な支持という果実を貪るという同根の略奪構造である。真に目指すべきは、この幻影の経済学からの脱却である。

いま我が国が断行すべきは、マクロ経済学の王道に立ち返った総需要の抑制と、政府・社会保障部門の構造的スリム化である。
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