案件名 　　　　　　　　　　　　　　 2004/01/26 配信
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過重労働で死んだ従業員への補償をすべきか
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患者名 ハンドルなし 担当医 ばく 先生 えてんずあみど 先生
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●患者問診より●

自分は小さな運送屋を営んでおります。
12月22日の日曜日に、当社の従業員が亡くなりました。晩御飯を食べた
後に、一服を吸うために立ち上がった所、急に倒れて救急車で運ばれた
のですが、そのまま帰らぬ人となりました。
その日は遅かったので、次の日に仕事をかたずけ、急いで自宅の方に向
かいました。そこから約1時間程ですが、散々な事を言われて帰ってきま
した。

「主人（53歳）が死んだのは、お宅の過重労働のせいだ」
「なんで、うちの主人を会社にひっぱったのか。」
「従順な主人だけこき使って。」
「人の命をそんなに軽くおもってるのか。」
「主人を返して。」
などなど、奥様のほうから厳しい言葉を言われました。
「これからの補償などはどうしてくれる」なども、親戚の方に言われま
した。

仕事的には多少きつい事はありますが、今の時代そうでもしないと、給
料もだせません。勤めて、約4年ぐらいですが、今まで年間4～5回は事故
をしてきました。その事故も当社の過重労働が原因と言われました。
勤めてる間に2台のトラックをおしゃかにしています。最近では、亡くな
る約3週間前に居眠りでおかまをほり、トラックは全損になりました。
事故の後、約1週間休ませて、仕事の復帰したのですが・・・。
以下のような労働です。

事故前：
・夜中2時半～夕方6時過ぎまで（休憩時間:約3時間）
・毎週日曜日が休み。

事故後：
・朝5時～夕方6時過ぎまで（休憩時間:約1時間）

運送業界では、あたりまえなコトなんですが。
今まで、夜中の分を取れば給料が下がるが・・・などの打診はしてきま
したが、当人は給料が下がるのはイヤと言っていたので、そのままにし
ておきました。
できる限りの仕事のフォローはしてきたつもりですが・・・。
亡くなって、けちょんけちょんに言われたのが辛くて。遺族はもっとつ
らいでしょうが。

そこでなんですが、自分は、当人には給料の話もしてあります。
「売上があがらないと給料はだせない。」
「保険、ボーナスなどはない。」
「もろもろの補償もない。」
全て話した上で本人が勤めたことです。

文章がヘタで何を言ってるのか伝わりにくいかもわかりませんが、この
ような場合、自分は補償しなくてはいけないのでしょうか。
何卒、お知恵をかして下さい。
宜しくお願いします。



●担当医所見● ばく 先生

まずは心中お察しいたします。

詳しい実際の法的な適用は専門知識をお持ちの他先生にお任せするとし
て、結局最後はどこまでご遺族に相談者の誠意が伝わるかになってしま
うと思います。
経営者に責任があるないにかかわらず、遺族にはなるべく多く接触を持
ち、謝罪をするべきでしょう。実際に従業員が死んだのは事実なわけで
すし、遺族にとってはかけがえのない家族だったのですから・・・（非公開）


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●担当医所見● えてんずあみど 先生

非常におつらい立場だと思います。

精神的にもつらいでしょうが、法的にも非常につらい立場です。
会社は、その社員に対し、労働時間および労働状況を把握し、過剰な長
時間労働によりその健康を侵害されないよう配慮すべき安全配慮義務を
負っています。

今回のケースでは、常軌を逸した長時間労働を知りながら、労働時間を
軽減させるための具体的な措置をとらなかった過失があったのです・・・（非公開）


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