案件名 1999/09/05 配信
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ミステリアスな・・・体験
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患者名 激裏会員 (元貧乏) 担当医 なかじー 先生
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●患者問診より●
私の過去の不思議な体験談をお話いたします。
私は貧乏でした。
一時は、電話・電気・ガス・水道は全て止まる、おまけにアパートの鍵
を交換され帰宅しても家に入れず友達の家にお世話になるは、で生きて
行けるのかどうかと不安な過去も有りました。
現在も貧乏は貧乏なのですが、借金取りに追われるような毎日では有り
ません。
日に日に借金も減り、普通の暮らしをしております。
借金の原因はよくある自転車操業というヤツです。
丸井のカードから始まって、気が付いた時には合計14社もの会社と繋が
りを持ってしまいました。
何にそんなに使ったの、と事情を知っている人からは良く聞かれます。
内訳は
1.生活費
2.買い物
3.パチンコ
と
言ったところでしょうか。
只、酒も女もやらない私ですが、唯一の遊興費としてパチンコ屋には散
々持って行かれました。
別に無職でいた訳でも無く、自分の収入と支出の計算が成っていなかっ
たのは言うまでも有りません。
言い忘れましたが私は独身です。
結婚して妻・子供などいたら余計大変でした。
私はある日、「どう考えても返せない」と言う事に気づきました。
まぁ、その時以前にもう手後れであった事はしっかりとしている方から
見たら当然であった訳で・・・。
それで、返す方法を考えた私は今でも良く新聞や雑誌にある
「一括返済」の広告を見て、「これだ」と思い立ったのです。
今でも記憶にしっかりとありますが、何故か自分の借金の合計を単純計
算してしまうのです。200万くらいであろうと思い、とりあえず広告先へ
電話。
「今からこちらに来れますか」の言葉に「行きます」の返事。
借金に追われながら又借金をする、と言う今考えればとても恐ろしい行
動に自分でもその時は気づいていませんでした。
とりあえず今返せればそれで良かったのです。
向かったのは都内某所にあるマンションの一室。
とても古びた感じで、今考えても何故そんな場所に金融屋さんが有るの
かが不思議なくらいです。なにしろ住居用のマンションのフロアにある
のですから・・。
さすがに私も後ずさりしようと思ったのですが、追われる借金に背を押
されるかのように部屋を探していました。
目的の部屋を見つけましたが、入り口の扉が開いており、中にはお客様
が居るようです。
「すみませ~ん」の応対に「少し待っていて下さい~」と顔も見せずに
何やら忙しそうな気配。
しばらくすると、20代くらいの若い男性と40代くらいの男性が中から出
て来ました。
20代の男性はとても紳士的で清潔感がある方でした。こちらはどうやら
この金融屋さんの方のようです。
40代の男性はお客様のようです。
40代の男性は、20代の男性に向かってやけにペコペコ頭を下げ、お礼を
言っていました。
「この人も融資を受けたんだな」とその時私は思いました。
そんな事を考えていると、「○○さんですよね」とようやく私に話が回
って来ました。
部屋の中ははっきりと覚えていませんが、入り口にカウンターがあり、
その裏手に応接間がパーテーションで区切られてあり、そこへ私は通さ
れました。
そこに居るのは20代の男性1人です。
と、直に電話が鳴り、20代の男性は「少しお待ち下さい」と電話を取り
に行きました。会話の内容が丸聞こえでした。
仲間内からの電話のようです。
お客さんがお金を返せないとか言う様な内容で「どうにかして返すしか
無いでしょう」等と話をしていました。
「みんなはまっているんだ・・・」と私は孤独感から少し開放された気
分でした。
数分待っている間、部屋を見渡すと、金融屋さんには当然ながら有る黒
地で金字の「免許」が入り口付近の壁に掛けられていました。
殺風景でしたがこれを見て少し安心していました。
ようやく電話が終わった20代の男性は、「お待たせ致しました」と応
接間に来ました。
早速、話の本題に入りました。
どれくらいの融資が必要か、どの会社から融資を受けているか、など、
私の借金に関連する話を全て聞かれました。正直に答えた私は、とても
丁寧な応対をしてくれている20代の男性の話を真剣に聞いていました。
「この金額の借金があると利息だけでもすごいですね」と計算機を叩き
ながら概算を算出し、私に見せたりしています。
「こちらで融資する事は簡単ですが、貴方のためにもっと良い方法が有
るのですが」と言ってきました。
その後の説明は「自己破産」「任意整理」・・・。と聞いた事も無い言
葉を含めてしっかりと説明をしてくれました。
「この「任意整理」が貴方には一番良い方法だと思います」と融資とは
全く別物の話が進んでいました。
会話の中で「弁護士」とか「カードが作れない」などの言葉を聞かされ
なんかまずい事になってしまうのかな。と不安になってきました。
結局、融資は受けず、その20代の男性は私にある弁護士を紹介してくれ
ました。
「この私から紹介されたと言う事は絶対に言わないで下さいね」と不思
議な言葉を最後に話は終わりました。
部屋を出る時、先ほどの40代の男性と同じような姿になっている自分に
気づき、「あ、あの人も弁護士を紹介してもらっていたのかなぁ」と改
めて思いました。
目指すはそのマンションから電車・徒歩で1時間くらいの場所です。
融資を受けられなかった私は、途中で「帰ってしまおうかな」と思った
くらいに不安でいっぱいです。
しかし、そこでも私の抱えている借金が押す力には勝てませんでした。
次の頼りとなる先は紹介して頂いた「弁護士さんの事務所」です。
「しっかりしている弁護士さんです」と20代の男性がおっしゃってい
た言葉を信じて私はその先へ向かいました。
「弁護士」なる方に未だかつて一度もお世話になった事の無い私はある
意味興味心を持っていたのかも知れません。
到着した先はまたもマンションの一室です。
しかし先ほどよりは清潔感のあるマンションで入り口にもしっかりと
「○○法律事務所」と書かれた表札があります。
扉をノックすると、中から女性の方が出て来ました。
「●●ですけれども・・・」と言うと「はい、お待ちしておりました。
どうぞ中へ」と言い部屋の中へ通されました。
そこは先ほどとは異なり、20畳くらいは有るでしょうか、立派な事務所
と言った感じでとても清潔感が有ります。
背広の胸に光るバッチを付けた弁護士さんが何人か居て、部屋はいくつ
かにパーテーションで区切られています。
私は目に映る人に頭をペコペコ下げながらパーテーションの一角へと案
内されました。
でも、「お待ちしておりました」の言葉は不思議で仕方有りません。
何故私の事を知っているのでしょうか?
先ほどの20代の男性は「絶対に言わないで下さいね」と言っていたので
その事に付いて恐くて何も聞けませんでした。
結果的には、そこの事務所はしっかりとしており、何ひとつ怪しいよう
な場所では有りませんでした。
私の借金に対しての処理=任意整理と言う方法を用いて弁護士さんに対
処して頂きました。 弁護料を含めての分割返済です。
それから何日かして、弁護士さんに再度呼び出されました。
私の借金はなんと合計400万弱も有りました。自分のおおざっぱさには悲
しくなります。
任意整理については、ご存知かと思いますので、私が今更ここで語る事
は無いと思いますので省略させて頂きます。
しかし任意整理の裏側には、もし返済期日を守らない場合には今以上に
とても恐ろしい仕打ちが待っている事も聞かされました。
返済を始めもう2年近くになりますが、ようやく弁護料も払い終わり、
残すところ先が見えて来ました。
今ここに自分があるのも、とある金融屋さんの20代の男性のおかげだと
私は今でもその人に感謝しています。
でも、「私から紹介した事を絶対に言わないで下さい」と言う言葉が今
でも気になっています。
粗方の予想は付きますが、そんな事って有るのでしょうか。
●担当医所見● なかじー 先生
いわゆる債務整理を業として・・・(非公開)
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